2026/06/20 21:38


四代目・平本友里さんは元グラフィックデザイナー。女性ならではの視点で染色に関わる想いを伺いました。
そして色使いが美しい桐染のプロダクトの染料の調合は、知識や経験を踏まえた手作業だと知り、一つの製品を作るにも、きちんと人の感覚が通っているということを実感。また、桐生という街の繊維工業の成り立ちや歴史などにも興味を持ち、今回プロジェクトが実現しました。

第一弾のコンセプトでもある「水面」を表現する染色方法は、Gotasのブランディングに関わってくれたアートディレクターとのやりとりで何パターンもの中から検証。最終的にグラデーション染めで表現することに。「藍」と「錆納戸(さびなんど)」という2種類を採用。どちらも繊細な日本古来の色味にこだわり、グラデーションの濃淡を表すのに、染料の配合量の調整、試し染めなどを繰り返しました。
今回のラインナップは、シグネチャーアイテムの手拭いのほか、普段から身に着けるものとしてTシャツ、トートバッグを展開。渡部本人が日常で身に着けることで、技術やプロダクトの背景をより多くの人に伝授していきたいという想いがあります。


染色作業は、全てを手作業で吊るしてから染色液に浸けていく作業が始まります。手拭いの暈し(さらし)は生地を蛇腹にしてセッティング。今回色味が濃く、彩度が高い色合いだったので、地の部分に繊細なグラデーションをのせるのに苦労したとのこと。地色が付いた状態でぼかし染をする際に、水に濡れると色が分からないので、色合わせを淡色〜濃色まで何度も見本をドライヤーで乾かして色確認。手拭いの断裁では、グラデーションに目視で合わせながら一枚づつ断裁をしていきます。


この全ての工程が、平本さんの手によって、一つ一つ手作業で行われます。
桐染では、絹糸の染色を始め、糸染めのみならず生地染や製品染など時代のニーズに合わせて様々な染色を手掛けてきましたが、こうした多様な色味を表現する染色技術は、古くからの職人の感覚や経験によって培われます。それが伝統として受け継がれ、一つとして同じものが出来ない、特別な一枚として完成します。
渡部自身が、興味を惹かれるものづくりの基準として、“昔から今に至るまで、その技術や知恵が継承されているということ。そういう流行に流されない普遍的なものに出会うとわくわくする
”という想いがあるので、お互いの軸にある姿勢が、今回のプロジェクトを引き寄せました。

